フィールドレポート カジキマグロトローリング ビッグゲームルアーズ
フィールドレポート カジキマグロトローリング ビッグゲームルアーズ
Vol.262007年2月ベネズエラ ラグアイラ バンク釣行記」 wmvビデオ (2007.3.26up)

※ビデオファイルを多数アップしているため、ページ読み込みに時間がかかる場合がございますので予めご了承ください。

2月?日
・・何日だったっけ?
(最近物忘れが多くていけない!ほんと、困ったもんだね・・・)

成田をベネズエラのカラカスに向けて出発、
途中ダラスでトランジットの予定でアメリカンエアーに乗った。

同行のS氏、Y氏もカジキのビルの森に期待を膨らませて、機内では乗ったらすぐグーグー寝こけていました。
興奮して寝られないどころか、爆睡!!
しかし、ダラスまでの距離はながーーーい。寝ても起きてもヒコーキは空の上。

そろそろアメリカ大陸に近づいたかな、と思った頃、突然機内のアナウンスが!!

○*△@**@ to Honolulu!

なんじゃい!ホノルルがどうしたって!?
なんでヒコーキがナナメになってUターンしてるんだよお!?

再度のアナウンスが・・
○ *△@*△@*@○*・・

ヒコーキに問題あるから、ダラスまで行けないって!
ホノルルで調整だって!!

そんなわけで、次の日の朝はホノルルのホテルで目が覚めた。
私が爆睡中にS氏とY氏が空港のカウンターでカラカスまでのヒコーキの手配に行ってきてくれた。

そんなわけで今回最初のショットは
ワイキキのダイアモンドヘッド・・・!?

今回も前途多難な旅になりそうな気配だけど、こういうの嫌いじゃない!


10日

ホノルルからロサンゼルス、マイアミをえて、とにかくカラカスまでたどり着きました。

日にちをしっかり覚えているのは釣りをする初日の予定日だったから!
S氏のバースデイでもありました。
カラカスの空港は茶色の大地を削りとった海岸線にありました。
ホテルに着いて早速窓を開けて海を眺めると、
そこには真っ青な海が・・・

ないっ!

美しいビーチから延々と続くはずの、コバルトブルーからロイヤルブルーに続く
真っ青な色が・・・

ない!!

緑色のどんよりした水色・・・!? なんじゃ、こりゃ!?
一同不安げに、こんな水色でだいじょうぶかなあ、と海を見つめる。

が、こんなことは日常茶飯事、
とひたすら前向きな気持ちで、さっそく周辺の状況をホテルの窓からワッチ!
眼下にはリゾートホテルらしく、青い水をたたえたプール。
あの水色を期待していたのに、と思っていると、
S氏が目ざとくちょっとしゃれたレストランらしきものを見つけた。
ホテルのすぐ下にあるビーチ沿いの建物に車が何台も入っていく。
今日の夕食はそこに決めた。
ビーチサイドのオープンデッキに席を取ると沿岸をトローリングしていくボートが見える。
リーフトローリングもおもしろそう。

きっとGTや、ワフー、もしかしたらセイルフィッシュも入ってきているのかもしれない、
などと思うと、沖を見つめたまま放心してしまう。

南のビーチはこの緊張感のなさがたまらなくいい。

11日

冬だからか、朝日が山の向こうから昇るせいか、この町の朝は遅い。
6時30分でも空は暗い。
8時になってガイドが迎えにきてくれた。
マリーナまでは10分程度の距離だ。

その間、荒廃した町並みが続く。
聞くと10年ほど前の集中豪雨で、すぐ後ろにそびえる山から土石流が
住宅街やリゾートホテルを直撃し、死者2000人を超える大惨事になったそうだ。
町は崩壊し、それまではリゾートとして世界中から観光客が集まってきたのに、
いまではホテルも数軒しか残っていないということだった。
マリーナの付近にはシェラトンホテルやホリデイインの朽ち果てた建物や
ビーチサイドのレストランバーの建物が当時のまま残っている。
ちょっと心が沈む。
マリーナには GUARIMBA Uが我々の乗船を待っていてくれた。
クリスクラフトの45フィートだ。
キャプテンも真っ黒に日焼けした顔に、真っ黒のサングラスをかけて待っていてくれた。
このときはまだ、このキャプテンが驚くほどの凄腕のキャプテンだとは知る由もなく、挨拶をかわした。
「マリーナからいつものポイントのラグアイラ バンクまでは30分ほど。
しかし、ここのところ潮が入ってこない。
今日のポイントはもっと沖だ、1時間30分ほど走る。」

そうだよな、この緑の潮じゃシロカワだって嫌がるよね。
私は早速キャビンのソファーに横になりシエスタタイムに突入です。 グーグー・・・
突然ボートがスピードを落とした。

ソファーから飛び起きてデッキに出る。 と、廻りはイルカの群れだ。

ボートはイルカの群れに突っ込んでいく。
デッキボーイは慣れた手つきでデッドベイトの準備にかかる。
デッキボーイは今日のデッドベイトをきれいに準備してくれていた。
アメリカ本土ではよく使うバリフー(サヨリの仲間)だった。
南米にもこのバリフーはいるんですね。
日本のサンマのような位置づけの魚なのかもしれません。
アウトリガーを見上げるとくもの巣が張っている。

ありゃなんだあー、とねぼけマナコを開いてみると、 1本のアウトリガーから3本のラインを流している!
おおおおーー、絡んだらややこしいだろうなーと思っていると、

バチンとラインがとんだ。

まだ流し始めて10分だというのにさっそくのヒットだ!

しかし、まだ食い込んでいない。
デッキボーイが他のロッドを持って誘いをかけている。

ルアーと違ってヒットしたロッドでは誘いをかけない。
ベイトが捕られているかもしれないからだ。

残念ながら追い喰いしてこなかったが、我々の不安は消し飛んだ。

今日はカジキ10本だぁーー!
イルカの中をデッドベイト曳いたら、ヒットしたのはイルカ?

・・・じゃなくて、イルカの群れの中にマグロの50kgが一緒に泳いでいるらしい。

イルカはデッドベイトを食うこともあるが、けしてフックをくわえないで、バリフーだけとっていく。
マグロ狙いには80lbタックルを準備しているが、中には100kgを超えるサイズがいるようだ。
しばらく流していたが見切ったようにイルカの群れを離れ、さらに沖に向かう。
鳥山が見えるとまたイルカの群れだ。
鳥とイルカがセットになっているくらいイルカが多い。
再度イルカの群れに突っ込んでいく。
また、アウトリガーのラインが飛ぶ。誘いをかける。今度は見事にのった!

ヒットォーー!!

S氏がロッドを持つ、スタンディングファイトだ。

マグロの50kgか?
と、100mくらい先でカジキが横にとんだ。

カジキだー!

・・・でも大きく見えなかったけど・・・

S氏は始めての?スタンディングファイトに気合が入っている。
ロッドの煽り方がS氏得意のかもし釣りのようだ。

ヒラマサのパワーファイトだー、と思っていると、あっという間に寄せてきた。
セイルだ!

S氏の今回の釣りの目標の一つのセイルフィッシュだ。

やったー!目標達成だー。

デッキハンドたちはセイルのビルをつかんでデッキにあげると、
大きな背びれがコバルトブルーに波打つ。

何回見てもセイルの背びれは美しい。感動する。
セイルフィッシュの目は かわいい!
この日は、このあとヒットが1回あっただけでフックアップせず、終わり帰港した。
マリーナのボートの横にめずらしいボートがあった。
バートラムの25。こんなに小さくてもFBがついている。

かわいい!

翌朝も・・
やっぱりバートラム25FBが気になる。
やっぱり、かわいい!

Y氏に、聞くと古いボートだけど、ちいさくてもバートラムだそうだ。
日本には入っていないらしい。

二人で、これって、ありだよね、とうなずきあう。

船体だけ日本に送って、エンジン載せて、淡いミントグリーンのハルに、ピンクのラインなんかどうでしょう?


12日

さて、チャレンジ2日目。キャプテンも気合が入る!我々も気合が入る!
実は今日の午前中はなんと、メカジキ狙いです!

釣り方は沖のバンクの水深300m辺りで、ペットボトルの浮きフカセ。
餌は太刀魚とイカ。
オモリは頭ほどある大きな石をビニール袋に入れて、3号ハリスで括ってフックにかける。
沈めて底についたら、ラインを張って3号ハリスを切る。
タイミングが悪いとなかなか切れなくて、ボートで引きずり回した。
イカには120号リーダーを3mくらいで200号くらいの遊動オモリと大きな集魚ライトを直列。
オモリが切れたら、10mほど底を切って、
2リットルのペットボトルをリリースゴムでラインに固定して、浮フカセ。

ペット浮きから40〜50m位離れてもう一本出して、ボートを流して待つ。
ペットボトルを流したまま、あくびばかり出る2時間がたち、メカジキの気配もなく終了。
付けた餌のイカも太刀魚も、そのまま揚がってきた。
まあ、メカジキ釣りの方法を直伝していただいたから、いい経験になった。
帰ったら早速遠州灘で実行してみよう。

昼近くなってポイントへ移動中、無線でイルカの群れの情報が入り、ボートはスピードを上げた。

沖を見ると数艇同じ方向にボートが走っていく。
ポイントにつくと10艇ほどのボートが集まっていた。
すごいイルカの群れだ。
200頭くらいの群れが、5群くらいあって、バラバラに泳いでいるように見えるが、
全体としては同じ方向にジグザグに向かって進んでいるようだった。
時々イルカと違う魚がジャンプする。

50kgクラスのマグロがイルカのように並んでジャンプしている。

FBから見ると、イルカは灰色に見えるがマグロは真っ黒に見える。
中にはイルカと同じくらいの2m、100kgクラスのマグロもイルカと混じって泳いでいる。
マグロのほうがイルカより動きが俊敏だ。

急に方向変換したりと、落ち着きがない泳ぎ方だ。

アフトデッキで海を見つめていると、あることに気がついた。

そのポイントにいる10艇ほどのボートは、イルカの群れの移動する先々に向かって
それぞれ、バラバラな方向に向かっているが、いつもほとんどのボートが自分の視界にいる!

このボートの先にはイルカしかいない!

このボートはいつもイルカの群れの先頭にいる!!

そう!!
すごーーいキャプテンだ!!
このキャプテンはいつもイルカの大きな群れの頭を抑えて進んでいる!

それがわかったときに、背筋がビリビリッとなった!
凄腕のキャプテンのボートにのっている!

キャプテンは必ず、イルカと平行にボートを進めて、群れの頭でベイトを曳いている!

このキャプテンなら、絶対に食わせるぞ、

きっと・・・すぐに・・・


そのときだった!

アウトリガーのラインが音をたてて飛んだ!

デッキハンドがショートのベイトで誘いをかける!
80lbロッドがしなり、クリック音が鳴る!
私はすぐにロッドを取ると、一瞬ひるんだ!

「まさか、80lbのロングカーブバットでスタンディングかあ?」

デッキハンドがチェアーの準備を始めたので一安心して、チェアーに座る。
ハーネスを渡され、装着する・・・が、
ハーネスはビッグファットなアメリカンサイズに調整してあるのでまったく役にたたない。
ベルトが長すぎる。

その間も、ファイトを休むわけにはいかない。
50kgのマグロならパワーファイト勝負だと、ばかりにガンガン巻く。

くそっ、役立たずのハーネスめ。
腕と背筋には自信があるが、腰にはまったく自信がない。
まいったな、と思ったときに見かねたY氏がハーネスを調整しにきてくれた。

おかげで左手が自由になった。
ラインは深く沈んでいる。
80lbなら切れるこたあない。
ラインが出ないようにスプールを掴んでポンピングだ。
ガンガン巻きだー!
どんどん寄ってくる。

さあ、マグロちゃん、一気にけりつけるから覚悟しとけーーー!?

あと50mくらいでラインが浮いてきた。

そうか、マグロのヤツはもう観念したか!
今夜はクロマグロのお刺身だー。
やつがラインを出そうとしてもスプールを掴んでラインを出さない。
手を休めずに一気に巻くと、デッキハンドが2人でリーダーをとって、
2人で水面にかがみこんだその瞬間、
ボートの影から、なんとビルが現れた!

カジキだあああー!

デッキハンドは100kg近くあるカジキのビルを掴んで、デッキにはねあげた!!

ドッターーン、バッターーン、ズシーーン・・・、カジキがデッキで大暴れだー!

後ろにいたY氏とS氏も大騒ぎだ。
「あぶなーい、逃げろ、FBにのってえ、はやくはやくうー!」

わあーーーー !!チェアーのすぐ下でカジキがビル振りたてて暴れている!
私もチェアの上で足と手を引っ込めて亀のようになっていた!
ファイト時間は10分たらずだったからカジキも元気いっぱいだった。

あとでS氏に聞くと、2人のデッキハンドはカジキのビルを掴んで抜きあげたまま
デッキに放り投げて、暴れるカジキのビルを掴んで袈裟固めで押さえ込んでいたらしい。

S氏の撮影したビデオには、みんながあわててFBの階段に駆け上がる状況や、
デッキハンドがドスンドスンと暴れるカジキのビルを掴んで体で押さえ込むシーンが写っていた!

実はデッキハンドもすごかったのだった!

クロカワカジキだった。

自分の目測では80kgから90kgくらいですが、みんなは100kgとか120kgとか言ってくれるので、
切りよく100kgということにしておくことにします。
デッキハンドがビルを掴んで袈裟固めにしたので、カジキのビルが小さくなってしまいました!

ショートビルのカジキの話は聞いたことがあるけど
見るのは初めてで、種類が違うんじゃないかと思うくらいでした。
帰港して凄腕のキャプテン(このときにはもうキャプテンを見る目が違う、尊敬の眼差し!)とのツーショット。
そのあとに、やっぱり気になるバートラム25! 悪くなーい!! ちょっと欲しくなってきたぞ。

さていよいよ最終日、今日はマイアミに行く便を夕方便に変更しての半日釣りでボートが変わった。
昨日マグロを2本釣ってきていたボートだ。
亀さん号です。
時間がないのであまり沖に出ず、ラグアイラ バンクにいく。
水色は悪い。
クロカワはいないだろう、マグロが釣れたらいいな、と期待する。
鳥がチラチラと飛んでいる。

アウトリガーのラインがバシッと飛ぶ!
しかし喰ってこない。

また、流す。

なにかがベイトの後ろにいる!

デッキハンドはすばやく見つけて誘いをかける。

食わせた!

Y氏がロッドを取る。
でも、ついてる魚がちょっと軽くて不満げなニヒルな微笑みを浮かべるY氏!

・・・釣れた喜びと、小さいぞという不満の葛藤ですね。
あまり大きくないサワラだった。

心残りを感じながらその日は11時に沖あがりして、カラカスの空港に向かい、マイアミ便に乗った。

>>次回はマイアミボートショーのレポートです!
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